2020年7月9日木曜日


119-20200709(新型コロナ対応「労働条件の変更(就業時間の繰上げ・繰下げ)」解説

これから数回にわたって、新型コロナウイルスの影響により従来の労働条件を変更せざるを得なくなった場合の対応について解説します。

今回は、公共交通機関を利用して通勤する従業員が新型コロナウイルスに感染するのを防止するために、臨時的に就業時間を繰上げる(早くする)又は繰下げる(遅くする)場合について解説します。

1 始業時刻が9時、終業時刻が18時で、休憩時間が1時間(実労働時間8時間)の歯科医院で、実労働時間と休憩時間帯は変えずに、始業時刻を10時00分、終業時刻を19時00分に変更する場合について考えてみましょう。
労働基準法は、労働時間を繰上げ又は繰下げる場合について何も規定していません。
行政解釈では、「交通機関の早朝ストライキ等1日のうち一部の時間帯のストライキによる交通事情等のため、始業・終業時刻を繰下げ、繰上げることは、実働8時間の範囲内である限り時間外労働の問題は生じない」とか、停電等で一時業務を中断して自由に休憩させ、送電回復後に休憩させた時間ぶんだけ終業時刻を繰下げた場合について、「労働時間が通算して1日8時間又は週の法定労働時間以内の場合には割増賃金の支給を要しない」としています。
このように、医院が1週40時間、1日8時間を超えない範囲で就業時間を臨時的に繰上げ又は繰下げることは、労働基準法に違反するものではありません。

次回も引続き「就業時間の繰上げ・繰り下げ」について解説します。

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