145-20210414
今回は、「当然退職」について解説します。
(解説)
1 雇用契約は、解雇以外にもさまざまな原因によって終了します。歯科医院の就業規則に規定しておく必要があるものは、①一定の事由が発生すると、従業員又は使用者が特別の意思表示をしなくても当然に雇用契約が終了するもの(当然退職)、②従業員が一定の年齢に達すると、従業員又は使用者が特段の意思表示をすることなく当然に雇用契約が終了する制度(定年退職)、③従業員と使用者の意思表示の合致(合意)によって雇用契約を終了させるもの(合意退職)、④従業員からの一方的な意思表示によって雇用契約を終了させるもの(辞職)などです。これらの退職に関する事項は、就業規則の絶対的必要記載事項とされていますから(労働基準法89条3号)、必ず就業規則に記載しなければなりません。
2 当然退職とは、前項で述べたように、一定の事由が発生した場合は従業員の意思表示を必要とせずに当然に雇用契約が終了することをいいます。①従業員が死亡した場合は、雇用契約当事者の一方が消滅することですから雇用契約は当然に消滅します。②休職期間が満了すると当然に退職となることは、この就業規則の「復職」に関する条文でも定めています(「休職期間が満了してもなお就業が困難な場合は、休職期間の満了をもって退職とする」と規定している。第25回復職の条文参照)。③法人である歯科医院の場合、従業員が取締役又は執行役員に就任した場合は、雇用契約を終了すると規定している医院が多いようです。ただし、従業員と役員を兼務している場合(「兼務役員」といいます)には雇用契約は終了しません。
次回も引続き「当然退職」の解説をします。
0 件のコメント:
コメントを投稿