2021年5月6日木曜日

 

148-20210506

 

今回は、「定年退職」について解説します。

(解説)

1 定年退職とは、従業員が一定の年齢に到達したときに、労使双方の意思表示を必要とせず当然に雇用契約を終了させる制度です。退職に関する事項は就業規則の絶対的必要記載事項とされていますから(労働基準法89条3号)、必ず就業規則に規定しなければなりません。定年退職の制度は、定年年齢に到達するまでの雇用を保障する機能(雇用保障機能)と定年年齢に到達することによって雇用関係を終了させる機能(雇用終了機能)を兼ね備えており、労使双方にとって合理的な制度だとして支持され定着してきました。

 

2 定年年齢を何歳にするかについて、従来、労使の自治に委ねられてきましたが、高齢社会の到来に伴って「高年齢者雇用安定法」が制定され、定年年齢を60歳以上とすることが義務になりました(同法8条「事業主がその雇用する労働者の定年の定めをする場合には、当該定年は、60歳を下回ることができない」)。この高年齢者雇用安定法8条は強行規定なので、歯科医院の就業規則に歯科衛生士の定年年齢を60歳未満と定めている場合には、その就業規則の規定は高年齢者雇用安定法8条違反として無効になり、最初から定年の定めがなかったことになります。

 

次回も引続き「定年退職」の解説をします。

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