2020年6月11日木曜日


115-20200611

新型コロナウイルスが発生し、あらゆる業種がその影響を受けて、従業員を休業させなければならない状況となりました。このため私も「雇用調整助成金」の申請業務に奔走せざるを得なくなり、ブログを中断しておりました。

少し状況が落ち着きましたので、ブログを再開いたします。再開するにあたり、まず「計画年休」の解説を完成させます。引続いて「雇用調整助成金」の解説をしたいと思います。

(「計画年休」の解説)
7 2019年4月から、10日以上の有給休暇が付与されるすべての従業員に対して、毎年5日間、時季を指定して有給休暇を与えなければならなくなりました(年次有給休暇の義務化)。
これは全企業を対象に一律に適用されるので、中小企業に対する猶予措置はありません。歯科医院も直ちに対策を考える必要があります。

8 年次有給休暇の義務化の対象となる従業員とは、年次有給休暇の付与日数が10日以上の従業員です(管理監督者、有期雇用従業員を含みます)。
従業員が自分で5日以上の年次有給休暇を取得している場合は、医院がこれに加えてさらに5日の年次有給休暇を与える義務はありません。

9 歯科医院の多くはパートタイム従業員(週所定労働時間が30時間未満で、かつ週所定労働日数が4日以下又は年間所定労働日数が216日以下のパートタイムのDH等)を雇用しているので注意が必要です。
パートタイム従業員については、下表のとおり勤続年数に応じた日数の年次有給休暇が付与されます。ですから、例えば週4日勤務のDHの場合、3年6か月継続勤務し、直近1年間の出勤率が8割以上であれば、10日の年次有給休暇が付与されるので、年次有給休暇の義務化の対象になります。

労働日数
所定労働日数
勤 続 年 数

6ヵ月

1年
6ヵ月
2年
6ヵ月
3年
6ヵ月
4年
6ヵ月
5年
6ヵ月
66月以上
4
 169日~216
7
8
9
10
12
13
15
3
 121日~168
5
6
6
8日
9
10
11
2
  73日~120
3
4
4
5
6
6
7
1
  48日~ 72
1
2
2
2
3
3
3

10 歯科医院における年次有給休暇の義務化に対する対策としては、計画年休制度をお薦めしています。
歯科医院の多くは、必ずしも年次有給休暇の取得率が高くありません。
この際、計画年休制度を導入して従業員の年次有給休暇を増やす方向で考えてみてはいかがでしょうか?
計画年休制度を導入して、年次有給休暇を全部消化する方針に切替えた医院の従業員定着率は極めて高いものがあります。

11 医院は「年次有給休暇管理簿」を作成し、3年間保存しなければなりません。
なお、年次有給休暇の規定に違反した場合(労働基準法39条7項、同89条、同39条<7項を除く>違反など)には罰則が科されることがあります。
年次有給休暇管理簿、罰則など、詳しくは社会保険労務士にご相談下さい。

次回は、「雇用調整助成金」の解説をいたします。


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