2021年2月10日水曜日

 

136-20210210

 

今回は「産前・産後休業」について解説します。

 (解説)

1 「出産」とは、妊娠4か月(1か月を28日として、4か月目の初日から計算開始するため、85日<28×31>)以上の分娩を意味します。これに該当すれば早産、流産、死産の場合も「出産」となりますから、いずれの場合も産前・産後休業の対象になります。

 2 産前6週間、産後8週間の計算は間違いやすいので注意が必要です。産前6週間は分娩予定日を基準として計算し、産後8週間は実際の分娩日の翌日から起算します(民法140条)。たとえば、歯科医院の従業員Aさんの分娩予定日が10月13日、実際の分娩日が10月18日であったとします。前述の計算方法によれば、産前休業は9月2日から10月13日まで(42日間)、産後休業は10月19日から12月13日まで(56日間)となります。ちなみに、出産日当日は産前6週間に含まれるとされているので(行政通達)、10月14日から10月18日までの5日間も産前休業になります。

 3 労働基準法は、「使用者は、6週間(多胎妊娠の場合にあっては、14週間)以内に出産する予定の女性が休業を請求した場合においては、その者を就業させてはならない。」(65条1項)、「使用者は、産後8週間を経過しない女性を就業させてはならない。ただし、産後6週間を経過した女性が請求した場合において、その者について医師が支障がないと認めた業務に就かせることは、差し支えない。」(65条2項)と規定しています。休暇に関する事項は、就業規則の絶対的必要記載事項とされているので(労働基準法89条1号)、この就業規則の1項及び2項は、前述の労働基準法65条に基づいて、女性従業員に産前休業及び産後休業を与えることを規定したものです。

 次回も引続き「産前・産後休業」の解説をします。

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