2019年6月27日木曜日


98-20190627

今回も引続き「事業場外労働」の解説をします。

(解説)
5 事業場「外」労働と事業場「内」労働が混在する場合の取扱について、次のような通達が出されています。
①労働時間の全部又は一部について事業場外で業務に従事した場合において、労働時間を算定し難いときは、所定労働時間労働したものとみなされ、労働時間の一部について事業場内で業務に従事した場合には、当該事業場内の労働時間を含めて、所定労働時間労働したものとみなされるものであること。
②当該業務を遂行するためには通常所定労働時間を超えて労働することが必要となる場合には、当該業務の遂行に通常必要とされる時間労働したものとみなされ、労働時間の一部について事業場内で業務に従事した場合には、当該事業場内の労働時間と事業場外で従事した業務の遂行に必要とされる時間とを加えた時間労働したものとみなされるものであること。
なお、当該業務の遂行に通常必要とされる時間とは、通常の状態でその業務を遂行するために客観的に必要とされる時間であること。

6 この通達によると、①所定労働時間労働したものとみなす場合(労働基準法38条本文の場合)は、一部の事業場内労働を含めてみなすということ。②通常所定労働時間を超えた時間の労働とみなす場合(同条ただし書の場合)は、一部の事業場内労働時間と事業場外みなし時間とを加えたものとみなすということになります。
事業場外労働、特に事業場外労働と事業場内労働が混在する場合は複雑なケースが多いので、社会保険労務士にご相談ください。

次回は「年次有給休暇」の条文を作ります。

2019年6月19日水曜日


97-20190619

今回も引続き「事業場外労働」の解説をします。

(解説)
3 労働基準法38条の2第1項ただし書の場合において、当該業務に関し、当該事業場に労働者の過半数で組織する労働組合があるときはその労働組合、労働者の過半数で組織する労働組合がないときは労働者の過半数を代表する者との書面による協定があるときは、その協定で定める時間を当該業務の遂行に通常必要とされる時間とし、この協定は労働基準監督署長に届出なければなりません(労働基準法38条の2第2項・3項)

4 前述の2と3を要約してみましょう。
従業員が労働時間の全部又は一部について事業場外で業務に従事した場合において、労働時間を算定しがたいときの労働時間の算定(把握)は次の3つになります。
①原則として所定労働時間労働したものとみなす。
②当該業務を遂行するためには、所定労働時間を超えて労働することが必要になる場合には、当該業務の遂行に通常必要とされる時間労働したものとみなす(所定時間外労働となる)。
③所定時間外労働となる場合に、労使協定が締結されているときは、その協定で定める時間を当該業務の遂行に通常必要とされる時間とするということになります。

次回も引続き「事業場外労働」の解説をします。

2019年6月12日水曜日


96-20190612

今回は「事業場外労働」の解説をします。

(解説)
1 訪問歯科診療や学校等の検診など、歯科医院の従業員の業務が医院外(事業場外)で行われることがあります。
このような事業場外労働に対応するため、従業員に事業場外労働を命じることができる旨を定めたのが第1項です。
ただし、労務の提供を院内(事業場内)に限る合意をしている従業員に対しては、事業場外労働を命じることはできません。

2 事業場外労働の場合にも、使用者は従業員の労働時間を算定(把握)する義務があります。このため、第2項本文で、原則として業務日報等により労働時間を算定することとしました。
しかし、場合によってはそれが困難な場合があります。このような場合に、労働基準法は「労働者が労働時間の全部又は一部について事業場外で業務に従事した場合において、労働時間を算定し難いときは、所定労働時間労働したものとみなす。ただし、当該業務を遂行するためには通常所定労働時間を超えて労働することが必要となる場合においては、当該業務に関しては、厚生労働省令で定めるところにより、当該業務の遂行に通常必要とされる時間労働したものとみなす」と規定しています(労働基準法38条の2第1項)。

次回も引続き「事業場外労働」の解説をします。

2019年6月5日水曜日


95-20190605

今回は、「事業場外の労働」に関する条文を作成します。

第○条(事業場外の労働)
1 医院は、業務上の必要がある場合、従業員に対し事業場外での労働を命じることがある。
2 事業場外で労働する従業員の労働時間は、従業員が作成した業務日報等により算定する。但し、労働時間を算定しがたいときは、その日は所定労働時間労働したものとみなす。
3 出張中の従業員について、労働時間を算定しがたいときは、前項但書を適用する。

次回は、「事業場外の労働」の解説をします。