2018年10月16日火曜日


86-20181016

今回は「時間外労働命令」の解説をします。

(解説)
1 はじめに、「法定時間外労働」と「所定時間外労働」の区別をしておきましょう。
労働基準法は、「使用者は、労働者に、休憩時間を除き1週間について40時間を超えて、労働させてはならない。」(同法321項)、「使用者は、1週間の各日については、労働者に、休憩時間を除き1日について8時間を超えて、労働させてはならない。」(同法322項)と定めています。
この、1週間に40時間、1日に8時間を超えて労働させることを「法定時間外労働」といいます。
この規定に違反した場合は、6か月以下の懲役又は30万円以下の罰金に処せられます(同法1191号)。
医院と従業員は、就業規則(労働契約)で始業時刻、終業時刻及び休憩時間を合意しています。
所定労働時間とは、始業時刻から終業時刻までの時間から休憩時間を除いた時間をいいます。この所定労働時間を超えて労働させることを「所定時間外労働」といいます。

2 「法定時間外労働」と「所定時間外労働」の区別を具体例で考えてみましょう。
S歯科医院の所定労働時間は、就業規則で、月曜日から金曜日まで各7時間、土曜日は4時間(1週39時間)となっています。
この17時間、1週39時間を超えた時間が「所定時間外労働」です。
これに対して、18時間を超えた時間及び140時間を超えた時間が「法定時間外労働」となります。

次回も引続き「時間外労働命令」の解説をします。

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