2023年10月18日水曜日

 

247-20231018

今回も引続き「教育・研修」について解説します。

(解説)

3 1項と2項によって歯科衛生士等の教育・訓練義務が発生します。しかし、職務との関連性がないOff-JT(文化・一般教養に関するものや、職務とは無関係に人格の陶冶を目的とするものなど)は、当然には労働契約の内容には含まれないので、このような教育・研修を命じる場合は就業規則の規定が必要になります。したがって、1項の条文中に「(一般教養等に関する教育・研修を含む)」と明記しました。なお、歯科医院においては、顧客満足を高めるための「接遇」の教育・研修はとりわけ大切です。これは、歯科衛生士等の本来の職務と密接に関連しますから労働契約の内容に含まれると考えられます。

4 合宿研修で外泊・外出を禁じる場合は、教育・研修の目的を達するために必要最小限度の範囲にとどめるべきです。したがって、日数制限や時間制限を設けて教育・研修を命じる必要があります。

次回も引続き「教育・研修」について解説します。

2023年10月11日水曜日

 

246-20231011

今回は、「教育・研修」について解説します。

(解説)

1 能力開発としての教育・研修は、従業員の「業務遂行過程内における職業訓練」(OJT)と「業務遂行過程外における職業訓練」(Off-JT)に大別されます。

2 従業員は労働契約から生じる労働義務として当然にOJTに従事する義務を負い、歯科医院は就業規則の規定がなくてもOJTを命じることができます。これに対して、日常業務を離れて業務遂行過程外で実施されるOff-JTは、就業規則でOff-JTに関する事項が定められていれば、それは労働契約となって従業員の受講義務が発生すると考えられます。

次回も引続き「教育・研修」について解説します。

2023年10月4日水曜日

 

245-20231004

今回は、教育・研修に関する条文を作成します。

第〇条(教育・研修)

1 医院は、従業員に対して、業務に必要な知識を高め、技能を向上するため、日常の指示ないし命令として教育・研修(一般教養等に関する教育・研修を含む)を命じることがある。

2 従業員は、医院から教育・研修を受講するよう指示された場合は、特段の事由がない限り、指示された教育・研修を受けなければならない。教育・研修の種類、費用負担その他必要な事項については、別途細則で定める。

3 医院は従業員に対して、業務上の必要により合宿研修を命じ、かつその間合宿所からの外出及び外泊を禁じることがある。

4 従業員は、自ら進んで自己啓発に努め、職業能力の開発と向上に積極的に取組まなければならない。

5 医院は、従業員に対して、前項の取組みの内容を報告させ、これを医院の定める基準に基づいて人事評価の対象とすることができる。

次回は、「教育・研修」について解説をします。