2022年7月13日水曜日

 

194-20220713

引続き「懲戒の種類及び程度」について解説します。

(解説)

20 労働契約法15条は、「使用者が労働者を懲戒することができる場合において、当該懲戒が、当該懲戒に係る労働者の行為の性質及び態様その他の事情に照らして、客観的に合理的な理由を欠き、社会通念上相当であると認められない場合は、その権利を濫用したものとして、当該懲戒は、無効とする。」と規定しています。懲戒解雇が有効とされるには、①「使用者が労働者を懲戒することができる場合」でなければならず、そのためには懲戒解雇の理由が就業規則に明記されており、②従業員の行為が懲戒解雇の理由に該当し、「客観的に合理的な理由」があると認められ(懲戒解雇事由該当性)、③処分の相当性と手続の適正さにおいて「社会通念上相当」であると考えられる必要があります(社会通念上の相当性の存在)。

21 裁判例は、懲戒解雇事由該当性を厳しく判断するとともに、従業員の義務違反や非違行為の性質・態様、勤務状況や反省状況、使用者の対応の適否などを従業員の有利な方向に考慮し、懲戒解雇権の発動を規制する傾向にあります。歯科医院においても歯科衛生士、歯科助手などの従業員を懲戒解雇することは十分慎重でなければなりません。

次回も「懲戒の種類及び程度」について解説します。

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