17-20160715
今回は、歯科医院の従業員の身元保証に関する条文の解説をします。
(解説)
1 身元保証には、①採用された者が従業員としての適格性を有することを保障する機能(人物保障機能)と、②従業員が医院に対して損害を発生させたときはその損害を賠償する機能(損害賠償機能)があります。
近年、メンタルな理由によって業務の遂行に支障をきたす労働者が増加する傾向にありますから、これに対処するためには、従業員に人物保障機能を主な内容とする「身元保証書」の提出を求めることが適切だと思います。
2 従業員が、就業に耐えられないような精神疾患に罹患したときは、当該従業員の休職・復職及び退職等について、身元保証人と冷静な話し合いによって解決することが必要になります。
円満な解決に導くためには、社会保険労務士にアドバイスを求めて話し合いに臨むことをお勧めします。
3 損害を賠償することを約した身元保証契約の有効期間は、期間を定めなかった場合には3年(身元保証に関する法律1条)、期間を定める場合には5年を上限とし、これを更新する場合には、更新のときから5年を超えてはならないと定められています(同法2条)。
なお、裁判所は自動更新の特約を認めていないので(札幌高裁判決 昭和52.8.24)、更新が必要なときは、身元保証契約の期間満了時に個別の同意を得るようにしましょう。
次回は、採用の取消に関する条文を作成し、その解説をします。
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