2023年11月15日水曜日

 250-20231115

今回は「慶弔・見舞金」について解説します。

(解説)

1 この就業規則では、慶弔・見舞金の詳細は「慶弔・見舞金規定」に委ねています。

2 「慶弔・見舞金規定」では、支給する金額を空欄(□)にしています。各歯科医院の事情に応じて金額を決定してください。

[慶弔・見舞金規定(例)]

第1条(目的)

この規定は、就業規則第○条に基づき、従業員の慶弔金及び見舞金の支給について定めるものである。

第2条(適用範囲)

1.この規定は、就業規則第○条第○項に定める従業員(正社員)に適用する。

2.前項に拘わらず、就業規則第○条第○項に定める従業員については、本規定を準用して実施することがある。

第3条(給付金の種類と取扱)

1.慶弔見舞金の種類は、次のとおりとする。

①結婚祝金

②出産祝金

③慶弔金

④傷病見舞金

⑤災害見舞金

2.従業員またはその家族が、慶弔・見舞金を受けようとするときは、証明できる書類を提示して医院に届出なければならない。

3.従業員が、虚偽の申出により慶弔・見舞金を受領した場合には、その全額を直ちに返還しなければならない。

4.本規定に定める慶弔・見舞金は、労働者災害補償保険法その他社会保険関係法規による給付金に関係なく支給する。

第4条(結婚祝金)

1.就業規則第○条第○項に定める従業員(正社員)が在職中に結婚した場合、本人に対して□円の祝金を支給する。

2.結婚の当事者双方が就業規則第○条第○項に定める従業員(正社員)であるときは、それぞれに□円の祝金を支給する。

第5条(出産祝金)

1.就業規則第○条第○項に定める従業員(正社員)又はその配偶者が子を出産したときは、□円の出産祝金を支給する。

2.死産又は出産後10日以内にその子が死亡したときは、第6条2号イの慶弔金を支給するものとする。

第6条(慶弔金)

就業規則第○条第○項に定める従業員(正社員)またはその家族が死亡したときは、次の慶弔金を支給する。

   従業員(正社員)の死亡

ア 勤続年数1年未満・・・・・・・・・・・・・・□円

イ 勤続年数1年以上5年未満・・・・・・・・・・□円

ウ 勤続年数5年以上10年未満・・・・・・・・・□円

  家族の死亡

ア 配偶者・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・□円

イ 子・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・□円

ウ 父母(同居の配偶者の父母を含む)・・・・・・・ □円

第7条(傷病見舞金)

就業規則第○条第○項に定める従業員(正社員)が、傷病により休業が連続1か月以上に及んだときは、□円の見舞金を支給する。

第8条(災害見舞金)

就業規則第○条第○項に定める従業員(正社員)が、天変地異その他避けることのできない災害により被災したときは、その状況に応じて見舞金を支給する。

 

この「歯科医院の就業規則解説講座」は今回で完了です。次回からは、必要な改訂を行ないます。

2023年11月8日水曜日

 

249-20231108

今回は、慶弔・見舞金に関する条文を作成します。

第〇条(慶弔・見舞金)

従業員とその家族の慶弔・災害等に対しては、「慶弔・見舞金規定」により祝金、慶弔金、及び見舞金を支給する。

次回は、「慶弔・見舞金」について解説をし、あわせて「慶弔・見舞金規定」を作ります。

2023年11月1日水曜日

 

248-20231101

今回も引続き「教育・研修」について解説します。

(解説)

5 4項と5項は、従業員の職業能力の自己啓発について定めています。歯科医院を取巻く環境は常に変化しています。そのため従業員の技術や接遇の質を高め、顧客満足を向上させることは、歯科医院の経営にとってきわめて重要な意味をもっています。

6 医院がそのために必要な全ての教育・研修を従業員に提供することは、多くの場合業務上の困難を伴います。たとえば、院内で技術や接遇の研修を計画する場合には、診療時間を削って行なう必要がありますが(私はそれを推奨・実施していますが)、多くの歯科医院にとってこれはかなり高いハードルになります。そのため従業員の自己啓発にある程度期待せざるを得ません。

7 医院は従業員が自己啓発するための環境を整備する必要があります。自己啓発に取組む従業員に対する費用の負担(援助)その他必要な事項を別途細則などで定めておきます。これによって従業員の自己啓発の内容を報告させ、これを人事評価の対象とすることが可能になります。

次回は「慶弔・見舞金」の条文を考えます。

2023年10月18日水曜日

 

247-20231018

今回も引続き「教育・研修」について解説します。

(解説)

3 1項と2項によって歯科衛生士等の教育・訓練義務が発生します。しかし、職務との関連性がないOff-JT(文化・一般教養に関するものや、職務とは無関係に人格の陶冶を目的とするものなど)は、当然には労働契約の内容には含まれないので、このような教育・研修を命じる場合は就業規則の規定が必要になります。したがって、1項の条文中に「(一般教養等に関する教育・研修を含む)」と明記しました。なお、歯科医院においては、顧客満足を高めるための「接遇」の教育・研修はとりわけ大切です。これは、歯科衛生士等の本来の職務と密接に関連しますから労働契約の内容に含まれると考えられます。

4 合宿研修で外泊・外出を禁じる場合は、教育・研修の目的を達するために必要最小限度の範囲にとどめるべきです。したがって、日数制限や時間制限を設けて教育・研修を命じる必要があります。

次回も引続き「教育・研修」について解説します。

2023年10月11日水曜日

 

246-20231011

今回は、「教育・研修」について解説します。

(解説)

1 能力開発としての教育・研修は、従業員の「業務遂行過程内における職業訓練」(OJT)と「業務遂行過程外における職業訓練」(Off-JT)に大別されます。

2 従業員は労働契約から生じる労働義務として当然にOJTに従事する義務を負い、歯科医院は就業規則の規定がなくてもOJTを命じることができます。これに対して、日常業務を離れて業務遂行過程外で実施されるOff-JTは、就業規則でOff-JTに関する事項が定められていれば、それは労働契約となって従業員の受講義務が発生すると考えられます。

次回も引続き「教育・研修」について解説します。

2023年10月4日水曜日

 

245-20231004

今回は、教育・研修に関する条文を作成します。

第〇条(教育・研修)

1 医院は、従業員に対して、業務に必要な知識を高め、技能を向上するため、日常の指示ないし命令として教育・研修(一般教養等に関する教育・研修を含む)を命じることがある。

2 従業員は、医院から教育・研修を受講するよう指示された場合は、特段の事由がない限り、指示された教育・研修を受けなければならない。教育・研修の種類、費用負担その他必要な事項については、別途細則で定める。

3 医院は従業員に対して、業務上の必要により合宿研修を命じ、かつその間合宿所からの外出及び外泊を禁じることがある。

4 従業員は、自ら進んで自己啓発に努め、職業能力の開発と向上に積極的に取組まなければならない。

5 医院は、従業員に対して、前項の取組みの内容を報告させ、これを医院の定める基準に基づいて人事評価の対象とすることができる。

次回は、「教育・研修」について解説をします。

2023年9月21日木曜日

 

244-20230921

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ブログ作成者・社会保険労務士 塩賀光明