211-20221130
今回は、「諭旨解雇又は懲戒解雇前の出勤拒否の措置」に関する条文を作成します。
第〇条(諭旨解雇又は懲戒解雇前の出勤拒否の措置)
1.従業員の行為が諭旨解雇若しくは懲戒解雇事由に該当し又はそのおそれがある場合、調査又は確認の作業が完了するまでの間、出勤を拒否することがある。
2.前項の出勤拒否の期間は賃金を支給しない。
次回は、「諭旨解雇又は懲戒解雇前の出勤拒否の措置」について解説をします。
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210-20221123
今回も「諭旨解雇及び懲戒解雇の事由」について解説します。
(解説)
6 諭旨解雇及び懲戒解雇の事由は多岐にわたるので、そのうちの主要な事由について解説を加えます。今回は不正行為です。この就業規則では、①「医院の金銭又は物品を窃取、詐欺又は横領した場合」、②「自己又は第三者のために金品の供与を受け、不正の利益を得た場合」、③「自己又は第三者のために従業員としての地位を利用し、医院に損害を与えた場合」のような規定があります。従業員は、医院に対して誠実に職務に専念する義務や職場秩序を遵守する義務を負っていますから、①②③の行為はこのような義務に違反し、医院に経済的損害を与えることになるので、諭旨解雇、懲戒解雇などの重い処分が肯定されます。しかし、金銭収受が些少な額であるとか、医院に対する経済的損害が軽微であると推認される場合は、諭旨解雇、懲戒解雇が相当性を欠くものとして無効とされる場合があるので注意が必要です。
次回は「諭旨解雇又は懲戒解雇前の出社拒否」に関する条文を考えます。
208-20221102
今回も「諭旨解雇及び懲戒解雇の事由」について解説します。
(解説)
3 諭旨解雇及び懲戒解雇の事由は多岐にわたるので、そのうちの主要な事由について解説を加えます。今回は経歴詐称です。この就業規則では、「労働契約締結時に最終学歴、職歴、経歴等を偽り、医院の判断を誤らせた場合」と規定しています。
4 裁判例は、詐称された経歴等は「重要な経歴の詐称」であることを要するとしています。重要な経歴等の詐称にあたるものは、最終学歴、職歴、犯罪歴の詐称ですが、それが懲戒事由に該当するかどうかは、偽った経歴等の内容、従業員の職種などに即して具体的に判断されます。この就業規則では、犯罪歴を規定していませんが、犯罪歴の詐称があった場合は、この就業規則に包括規定として「その他前各号に準じる程度の不都合な行為があった場合」と規定されているので、この規定によって対応することになります。
次回も「諭旨解雇及び懲戒解雇の事由」について解説します。
207-20221026
今回も「諭旨解雇及び懲戒解雇の事由」について解説します。
(解説)
2 懲戒処分(懲戒解雇や諭旨解雇を含む)が有効と認められるためにはどのような要件が必要なのか復習しておきましょう。①使用者が懲戒権を有すること。使用者が懲戒権を有するためには、懲戒処分の根拠となる就業規則規定(例:歯科衛生士が歯科医院の機密情報を漏洩した場合<懲戒事由>及びこれに対する懲戒処分<減給等懲戒処分の種別>)が当該処分時に制定されていることが必要であり、これが制定されていない場合、当該処分は根拠を欠くものとして無効になります。②従業員の行為が就業規則の懲戒事由に該当すること(懲戒事由該当性)。これについては、就業規則の文言だけで形式的に判断するのではなく、実質的に判断する必要があり、加えて、歯科医院の職場秩序を現実に侵害した(たとえば、機密を漏洩したことによって医院に損害が発生した)ことを要するとされています。③行なった懲戒が懲戒処分の濫用と評価されないこと。これについては、従業員の行為がたとえ懲戒事由に該当する場合でも、それに対する懲戒処分の相当性(行為と処分のバランス。前例で言えば、軽微な機密の漏洩に対して最も重い懲戒解雇に処するような場合)が問題とされ、それが否定されれば(バランスを失する場合は)懲戒権の濫用となります。④弁明の機会を与えるなど就業規則で定められた手続違反がないこと。これについては、就業規則で従業員に弁明の機会が与えられているにもかかわらず、その手続を経過せずに懲戒処分を行なった場合は、重大な手続違反とされ、懲戒権の濫用と評価されます(解説187回参照)。
次回も「懲戒の種類及び程度」について解説します。
206-20221012
今回は「諭旨解雇及び懲戒解雇の事由」について解説します。
(解説)
1 「懲戒解雇」は、懲戒(制裁)として行なわれる解雇であり、懲戒の中で最も重い処分です。懲戒解雇された従業員は、働く職場と退職金請求権を失うだけでなく、不名誉な処分を受けたために再就職が困難になるという重大な不利益を被ります。したがって、懲戒解雇が適法になされたかどうかについては厳しく判断されることになります(解説193回参照)。「諭旨解雇」は、本人に反省が認められるなどの情状等を斟酌して、懲戒解雇を若干緩和した処分ですが、従業員を失職させる点で不利益を与えることに変わりはありません。したがって、諭旨解雇を行なう場合でも懲戒解雇に準じた厳しい適法性判断が求められることに注意する必要があります(解説192回参照)。
次回も引続き「懲戒の種類及び程度」について解説します。
205-20221005
今回は、「諭旨解雇及び懲戒解雇の事由」の第1項第17号から第22号まで及び第2項の条文を作成します。
第○条(諭旨解雇及び懲戒解雇の事由)
1.従業員が次の各号の1つに該当するときは、その情状に応じ諭旨解雇又は懲戒解雇に処する。但し、改悛の情が顕著であること、過去の勤務成績が優良であったこと等を勘案し、前条の処分にとどめることがある。
⑰
労働契約締結時に最終学歴、職歴、経歴等を偽り、医院の判断を誤らせた場合
⑱
正当な理由がなく、医院が命じる転勤、配置転換、職種変更を拒んだ場合
⑲
医院の金銭又は物品を窃取、詐取又は横領した場合
⑳
その他業務上の指示又は医院の諸規程に著しく違反した場合で行為態様が悪質な場合
㉑ 職場外非行行為により医院の名誉・信用を著しく損ない又は医院に損害を与えた場合、その他職場秩序が著しく乱された場合でその行為態様が悪質な場合
㉒ その他前各号に準じる程度の不都合な行為があった場合
2.他人を教唆又は幇助して前項各号の行為をさせた従業員は、その情状に応じ諭旨解雇又は懲戒解雇に処する。但し、改悛の情が顕著であること、過去の勤務成績が優良であったこと等を勘案し、前条の処分にとどめることがある。
次回は、「諭旨解雇及び懲戒解雇の事由」に関する条文の解説をします。