2019年6月19日水曜日


97-20190619

今回も引続き「事業場外労働」の解説をします。

(解説)
3 労働基準法38条の2第1項ただし書の場合において、当該業務に関し、当該事業場に労働者の過半数で組織する労働組合があるときはその労働組合、労働者の過半数で組織する労働組合がないときは労働者の過半数を代表する者との書面による協定があるときは、その協定で定める時間を当該業務の遂行に通常必要とされる時間とし、この協定は労働基準監督署長に届出なければなりません(労働基準法38条の2第2項・3項)

4 前述の2と3を要約してみましょう。
従業員が労働時間の全部又は一部について事業場外で業務に従事した場合において、労働時間を算定しがたいときの労働時間の算定(把握)は次の3つになります。
①原則として所定労働時間労働したものとみなす。
②当該業務を遂行するためには、所定労働時間を超えて労働することが必要になる場合には、当該業務の遂行に通常必要とされる時間労働したものとみなす(所定時間外労働となる)。
③所定時間外労働となる場合に、労使協定が締結されているときは、その協定で定める時間を当該業務の遂行に通常必要とされる時間とするということになります。

次回も引続き「事業場外労働」の解説をします。

2019年6月12日水曜日


96-20190612

今回は「事業場外労働」の解説をします。

(解説)
1 訪問歯科診療や学校等の検診など、歯科医院の従業員の業務が医院外(事業場外)で行われることがあります。
このような事業場外労働に対応するため、従業員に事業場外労働を命じることができる旨を定めたのが第1項です。
ただし、労務の提供を院内(事業場内)に限る合意をしている従業員に対しては、事業場外労働を命じることはできません。

2 事業場外労働の場合にも、使用者は従業員の労働時間を算定(把握)する義務があります。このため、第2項本文で、原則として業務日報等により労働時間を算定することとしました。
しかし、場合によってはそれが困難な場合があります。このような場合に、労働基準法は「労働者が労働時間の全部又は一部について事業場外で業務に従事した場合において、労働時間を算定し難いときは、所定労働時間労働したものとみなす。ただし、当該業務を遂行するためには通常所定労働時間を超えて労働することが必要となる場合においては、当該業務に関しては、厚生労働省令で定めるところにより、当該業務の遂行に通常必要とされる時間労働したものとみなす」と規定しています(労働基準法38条の2第1項)。

次回も引続き「事業場外労働」の解説をします。

2019年6月5日水曜日


95-20190605

今回は、「事業場外の労働」に関する条文を作成します。

第○条(事業場外の労働)
1 医院は、業務上の必要がある場合、従業員に対し事業場外での労働を命じることがある。
2 事業場外で労働する従業員の労働時間は、従業員が作成した業務日報等により算定する。但し、労働時間を算定しがたいときは、その日は所定労働時間労働したものとみなす。
3 出張中の従業員について、労働時間を算定しがたいときは、前項但書を適用する。

次回は、「事業場外の労働」の解説をします。

2019年5月28日火曜日


94-20190528

今回は「緊急災害時等の時間外労働・休日労働」の解説をします。

(解説)
1 災害等による臨時の必要がある場合には、原則として労働基準監督署長の事前の許可を受けて、例外として事後の届出をすることによって、36協定に定めた時間を超えて時間外労働等をさせることができます。
労働基準法は、「災害その他避けることのできない事由によって、臨時の必要がある場合においては、使用者は、行政官庁の許可を受けて、その必要の限度において第32条から32条の5まで若しくは第40条の労働時間を延長し、又は第35条の休日に労働させることができる。ただし、事態急迫のために行政官庁の許可を受ける暇がない場合に於いては、事後に遅滞なく届け出なければならない(第33条1項)」と定めています。

2 災害その他避けることのできない事由によって、36協定に定める時間外労働を超えて労働させる臨時の必要がある場合には、当該協定に定めた時間外労働時間をさらに延長して労働させることができます(行政通達)。
しかし、従業員に業務命令として緊急災害時等の時間外労働・休日労働を命令するためには、そのための同意をあらかじめ得ておく必要がありますから(労働契約法6条)、本条はこのような業務命令を可能にするために必要な規定です。

次回は「事業場外の労働」に関する条文を作ります。

2019年5月14日火曜日


93-20190514

今回は、「緊急災害時等の時間外労働・休日労働」に関する条文を作成します。

第○条(緊急災害時等の時間外労働・休日労働)
災害その他避けることができない事由によって臨時の必要があるときは、医院は労働基準法33条第1項の規定に基づき、第○条に定める所定労働時間外、第○条に定める休日に労働を命じることがある。

次回は、「緊急災害時等の時間外労働・休日労働」の条文の解説をします。

2019年5月9日木曜日


9220190509

今回も引続き「休日労働命令」の解説をします。

(解説)
3 36協定を締結して届出れば、法定休日労働をさせることができます。
しかし、これは使用者が休日労働をさせても労基法違反とならないという効果(免罰的効果)を有するだけであって、従業員に休日労働を命令するためには、36協定とは別に労働契約上の根拠が必要です。
本条では、①緊急に人員の配置シフトを変更せざるを得なくなった場合、②その他業務の都合によりやむを得ない場合を掲げています。

4 休日労働命令は、時間外労働命令に比べて従業員のプライベートな生活に影響を与えますから、休日労働を命じる業務上の必要性は、時間外労働命令よりも高いレベルの必要性が求められることになります。
歯科医院の場合は、アポイント制による治療を行っていますから、休日労働をしなければ患者さんに迷惑をかけ、その信頼を失うような場合に限り、業務上の高度の必要性が認められると考えたほうがいいでしょう。

次回は「緊急災害時の時間外労働・休日労働」に関する条文を作ります。

2019年2月25日月曜日


91-20190225

今回は「休日労働命令」の解説をします。

(解説)
1 はじめに、「法定休日労働」と「所定休日労働」の区別をしておきましょう。労働基準法は、「使用者は、労働者に対して、毎週少なくとも1回の休日を与えなければならない」(同法35条1項)と定めています。この1週間に1日の休日のことを「法定休日」といい、この法定休日に労働させることを「法定休日労働」といいます。法定休日を上回る休日を「所定休日」といい、所定休日に労働させることを「所定休日労働」といいます。

2 「法定休日労働」と「所定休日労働」の区別を具体例で考えてみましょう。K歯科医院の場合、毎週水曜日が休診日で、それ以外の日は診療日となっており、従業員は休診日以外に毎週1日の交代休日をとっています。この場合、休診日に出勤し、毎週1日の交代休日にも休めなかった場合は「法定休日労働」となります。休診日に休み、交代休日に出勤した場合にはその日が「所定休日労働」となります。
もっとも、この就業規則では、法定休日を特定していません。ある日を法定休日に特定すると、その日に休日労働させた場合には(たとえ同一週内に所定休日を取得した場合でも)その日は法定休日労働となり、法定休日労働割増賃金の支払が必要になるからです。

次回も引続き「時間外労働命令」の解説をします。