2016年12月6日火曜日


26-20161206



今回は、歯科医院の従業員の「復職」に関する条文の解説をします。



(解説)

1 どのような理由で休職したかによって、復職の手続は異なります。休職の理由が私傷病以外の理由であるときは、医院に復職願を提出するだけで十分です。



2 私傷病休職の場合は、どのような場合に復職が可能か、その復職基準を明確にしておくことがとても重要です。特に近年増加しているうつ病等の精神疾患は、完治することが容易ではないと言われていますので、就業規則で明確に復職基準を定め、復職が可能か否かについて厳格に判断してゆくことが、結果としてトラブルを回避することにつながります。本条2項は、私傷病における復職基準と復職手続を定め、歯科医院の従業員が仕事に復帰するためには、休職の原因となった死傷病が「治癒」していなければならないと規定しています。



3 治癒した状態とは、「出勤可能」「平易な作業であれば就労可能」「短時間であれば就労可能」というような状態では足りません。民法493条に定める債務の本旨に従った弁済(本旨弁済)とは、医院と従業員が合意した労働契約の内容にしたがって、従前の業務を健康なときと同様に遂行できるということです。したがって、その程度に回復していなければ、就労を拒否されてもやむを得ないということになります。



次回も、引き続き、歯科医院の従業員の「復職」に関する条文の解説をします。

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