2016年5月17日火曜日

11-20160517

今回は「就業規則による労働条件の変更」の解説をします。

(解説)
1 歯科医院では、近隣の歯科医院との競争上、あるいは患者さんの利便性のために休日や始業・終業時刻等を変更することがよくありますが、その変更権の行使が権利の濫用にならないように注意する必要があります。

2 労働契約法10条は、一定の条件で労働条件の不利益変更を規定していますから、本来このような規定がなくても就業規則に定められた労働条件や服務規律等を不利益に変更することができるはずです。しかし、従業員との信頼関係を維持する意味でも、変更権限を明確にしておくのが適切です。

[労働契約法10条]
使用者が就業規則の変更により労働条件を変更する場合において、変更後の就業規則を労働者に周知させ、かつ、就業規則の変更が、労働者の受ける不利益の程度、労働条件の変更の必要性、変更後の就業規則の内容の相当性、労働組合等との交渉の状況その他の就業規則の変更に係る事情に照らして合理的なものである
ときは、労働契約の内容である労働条件は、当該変更後の就業規則に定めるところによるものとする。ただし、労働契約において、労働者及び使用者が就業規則の変更によっては変更されない労働条件として合意していた部分については、第12条に該当する場合を除き、この限りでない。

3 従業員を採用する際に、労働条件の不利益変更があり得ることを説明しておいた方がいいでしょう。

次回は、従業員の「採用の手続」に関する条文とその解説を書きます。

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