2017年8月30日水曜日

47-20170830

今回は、歯科医院における「機密情報管理に関する遵守事項」についての解説をします。

(解説)
1 歯科医院の従業員は、労働契約によって、広く医院の経営に影響を与える可能性のある情報(機密情報)を保持する義務を負っています。このような情報は、労働契約の存続期間中だけでなく、退職後も保持されなければ、医院の経営に支障をきたすことになります。そこで、本条1号で、在職中だけでなく退職後も機密情報の漏洩又は私的利用を禁止しました。しかし、本状2号で、業務上必要がある場合は事前に院長の許可を得てコピーやメール送信などができるようにしました。

2 個人情報保護法(平成1741日全面施行)は、事業主の義務を定めるものであって、従業員の義務を定める法律ではありませんが、従業員に対しても個人情報を保持する自覚を持たせるために「個人情報取扱規程」を設ける必要があるでしょう。なお、従業員の採用時、異動時、退職時等に機密保持のための「誓約書」をとっておいた方がいいでしょう。「個人情報取扱規程」や「誓約書」については、社会保険労務士にご相談ください。


次回は、歯科医院における「出退勤」についての規定を作ります。

2017年8月23日水曜日

46-20170823

今回は、歯科医院における「機密情報管理に関する遵守事項」についての条文を作成します。

第〇条(機密情報管理に関する遵守事項)
従業員は、重要な機密情報(経営・労務に関する情報、営業に関する情報、技術に関する情報及び患者さんに関する情報)の漏洩を防止するために、次の事項を遵守しなければならない。
  在職中又は退職後においても、知り得た機密情報を第三者に漏らし又は私的に利用してはならない。
  機密情報を院長の許可なくコピ-・複製・撮影し、他のパソコン(スマートフォン等を含む)やネットワークにデータ送信し、又はこれを院外に持ち出してはならない。但し、業務上の必要があり、かつ院長が事前に許可し、医院が指定した適切な管理方法による場合はこの限りではない。


次回は、職場における「機密情報管理に関する遵守事項」についての条文の解説をします。

2017年8月16日水曜日

44-20170816

今回は、歯科医院におけるパワー・ハラスメントの具体例を紹介します。

(解説)
1 歯科医院で実際にどのようなパワハラが行われているのか、調査したことがあります。その結果、歯科医院の従業員は、院長からのパワハラに悩んでいることがわかります。患者さんの前で怒鳴る、不必要な大声やふさわしくない言葉で注意する、○○さんと同じことをやれといわれる(過大な要求をする)などです。これらの行為は、たとえ教育・指導の目的で行われても、従業員の目には、適切な方法を知らない、短絡的な行動であると映ります。従業員同士のパワハラもあります。交代休日や有給休暇が自分に不利に調整されたこと、医院で行われた誕生会のお菓子が自分のために取り置きされなかったことなど、些細なことで従業員同士反目したり、いじめたりするなどの例がありました。

2 職場からパワハラをなくするためには、職場の一人ひとりが、自分も相手も等しく不当に傷つけられてはならない人としての尊厳をもった存在であることを認識したうえで、それぞれの価値観、立場、能力の違いなどをお互いに認めあって、その人格を尊重し合うことが必要です。


次回は、歯科医院の「機密情報管理に関する遵守事項」についての規定を作ります。