2017年5月25日木曜日

39-20170525

前回に引き続き「従業員の遵守事項」に関する条文の解説をします。
今回(第4回)は、「(3)従業員としての地位・身分に伴う遵守事項」及び「(4)その他上記に準じる遵守事項」に関する解説です。

(解説)
1 ㉔、㉕、㉖、㉘、㉚、㉛は、歯科医院では常識的な遵守事項です。

2 ㉗は、兼業等を無制限に認めると職場での仕事がおろそかになる可能性があり、また長時間労働につながることから健康を損なう惧れがあるので、院長の許可がなければ兼業はできないとしました。

3 歯科医院の経営上の情報や、患者さん等の個人情報(マイナンバーを含む)が漏洩すれば、歯科医院の円滑な運営に支障をきたします。ですから、㉙で歯科医院の内外を問わず、また退職後においても秘密の漏洩を禁止しました。

4 歯科医院の従業員の遵守事項を①から㉛まで定めましたが、必要なすべての遵守事項をあらかじめ具体的に定めておくことは不可能です。そこで、㉜で、①から㉛に準じるような歯科医院の職場秩序違反を包括的に禁止しました。

5 歯科医院の経営環境は常に変化しており、そのときどきの状況に応じて服務規律を新設・変更することが必要になります。これが労働条件の不利益変更に当たるかどうかが問題になりますが、不利益変更には当たらないと考えていいでしょう。



次回は、「セクシャルハラスメントの禁止」に関する条文を作ります。

2017年5月10日水曜日

38-20170510

前回に引き続き「従業員の遵守事項」に関する条文の解説をします。
今回(第3回)は、「(2)医院の設備・器具・備品・情報等の管理・保全のための遵守事項」に関する解説です。

(解説)
1 ⑲、⑳、㉑は、相互に関連する事項です。設備・器具・備品等を管理・保全するためのポイントは、取扱マニュアルを作成し、これに基づいて、あらかじめ決められた担当者が補充・発注等を行うことです。院長は、定期的に担当者から管理・保全の状況を聴取するようにしましょう。医療廃棄物は、その種類ごとに法令で定められた適切な処理・処分方法を遵守しなければなりません。これも取扱マニュアルを作成し、これに基づいて、あらかじめ決められた担当者が行うようにしましょう。

2 歯科医院のスタッフ休憩室の管理が盲点になっています。ガスレンジ、ストーブなどの火気の使用や喫煙による火災を絶対に発生させてはなりません。火気責任者を選任して管理することが大切です。

3 ㉓は、情報の管理・保全のための規定です。特に患者さんのデータの流失は、歯科医院のイメージを著しく損なうので、医院の規模の大小にかかわらず個人情報保護法を遵守することが大切です。



次回も引き続き、「従業員の遵守事項」に関する条文の解説(第4回)をします。