37-20170426
前回に引き続き「従業員の遵守事項」に関する条文の解説をします。
今回(第2回)は、「(1)就業する際の遵守事項」に関する解説です。
(解説)
1 就業する際の遵守事項とは、歯科医院の従業員の就業の仕方や職場のあり方に関する規律をいいます。本条では、①から⑱に規定しています。この中で、歯科医院に必要な規律として特に規定しておかなければならないのは、④、⑤、⑥,⑦、⑭だと思われます。
2 歯科医院は、患者さんの健康に係る仕事をしていますので、④仕事上の失敗を隠したり、事実と異なる報告をすれば、院長の治療行為に影響を与えることになります。その意味で重要な規定です。
3 従業員が、診察台や治療器具を用いて、従業員同士で治療行為を行う例が見受けられます。⑤院長の許可なく、他の従業員に自身の治療行為を行わせ、もしくは他の従業員の治療行為を行わないように、徹底しましょう。従業員の技術を向上させるために職場内訓練が必要な場合は、院長の指導の下で、あらかじめ作成した教育プログラムに基づいて訓練するようにしましょう。
4 歯科医院は、⑥治療が長引くなど、所定の時間に休憩がとれないことがままありますし、⑦休憩時間にも患者さんや取引先からの電話に対して応対しなければならない場合が少なくありません。このような場合は、時間外労働として賃金を支払わなければならないので、このような時間の把握がきちんとなされるように、あらかじめマニュアルを作成して労働時間を管理することが大切です。
5 ⑭職場の整理整頓、清潔の保全は、いうまでもなく医療機関である歯科医院にとって極めて重要です。しかし、細部にまで目が行き届いていない医院も少なからず見受けられます。これを解決するには、作業マニュアルを作成して、日々運用することが必要です。
次回も引き続き、「従業員の遵守事項」に関する条文の解説(第3回)をします。